整理解雇を行う前にすべき事とは?#3

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【退職勧奨を行う際のポイント】

希望退職と退職勧奨の違い

  希望退職の募集は消極的に労働者の応募を待つのに対して、退職勧奨は積極的に労働者に退職の動機づけを行う点が違いになる。

  積極的に労働者に退職の動機づけを行うのですから、その手段・方法が社会的相当性を著しく逸脱するような場合には、不法行為として損害賠償の対象となり、慰謝料を請求されることがある。具体的には次のような行為に注意が必要です。

① 退職の強要や脅迫、暴行、長時間の監禁、名誉毀損行為など

② 執拗に退職を迫る

③ 業務命令による退職勧奨

④ 近親者などを介しての退職勧奨

退職勧奨を行う際のポイント

     ☆退職勧奨を行う前に希望退職の募集を行う

     ☆退職上積金を提示する

     ☆退職勧奨の方法

①勧奨する上司は1人または2人とし、従業員の自由な意思を尊重できる

様な雰囲気で行う。

②時間は2030分間とし、就業時間中に行う。

③場所は会社施設とする(部屋には窓があるところが良い)。

自宅へ押しかけたり、電話するような行為は避ける。

④回数は、希望退職募集期間の開始から終了時までに、23回実施する。

     ☆面談は部長クラス、あるいは人望の厚い人が行い、会社の置かれている苦しい現状を訴えて、退職をしてもらうようお願いをする。そして、相手の言い分を真摯に聞く態度を示すことが最も大切なポイントになる。

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整理解雇を行う前にすべき事とは? #2

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【希望退職の募集を行う際のポイント】

対象者を限定した希望退職の募集は可能か?

応募対象者を50歳以上というように年齢を限定したり、地方の工場で働く従業員だけを対象としたとき、「一部の従業員だけを対象とするのは許されるのか」というクレームが出ることがある。

しかし、この方法であっても法的な問題はない。退職するかどうかはあくまでも労働者の意思次第であって、会社が強制しているわけではないからです。

改正雇用対策法で10条では、募集・採用時における年齢差別の禁止が義務化されているが、希望退職の取扱いにおいて年齢を限定することまで規制する内容ではない。

女子だけ、男子だけを対象とすることは可能か?

 希望退職の募集について「女子だけ、男子だけ」というように片方の性別のみを希望退職の募集とすると、均等法違反になる恐れがある。

 なお、退職勧奨については、片方の性別のみを限定して実施した場合は均等法64号に違反することになる。

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整理解雇を行う前にすべき事とは?

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【雇止めについて】

1業績悪化を理由とする雇止め

 有期雇用労働者は、柔軟な雇用調整の対象となりうることを認識して労働契約を締結されている以上、解雇権濫用法理が類推される場合でも、正社員の整理解雇と同程度の水準の合理的理由は求められない。よって、業績悪化の場合に有期雇用労働者の雇止めをすることについては、正社員の解雇に比べて緩やかに認められている。

 裁判例では、解雇権濫用法理の類推適用の判断要素として、

① 業務の客観的内容(恒常性・臨時性・正社員との同一性の有無)

② 契約上の地位の性格(地位の基幹性・臨時性、労働条件についての正社員との同一性の有無)

③ 当事者の主観的態様(継続雇用を期待させる当事者の言動・認識の有無・程度等)

④ 更新の手続・実態(契約更新の状況、契約更新時における手続の厳格性の程度)

⑤ 他の労働者の更新状況

⑥ その他(有期労働契約を締結した経緯、勤続年数・年齢等の上限の設定等)

などが考慮さていると言われている。

2有期労働契約の締結、更新および雇止めに関する基準

① 使用者は有期労働契約の締結に際し、更新の有無、更新有りの場合には更新の有無の判断基準を明示すべきこと

② 雇入れ日から起算して1年を超えて継続勤務している者、一定回数(3回)以上更新されている者、1年を超える契約期間の労働契約を締結している者について更新しないこととする場合には、労働基準法上の解雇予告と同様、契約期間満了日の少なくとも30日前までに予告をすべきこと

③ 1回以上更新され、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している有期労働者について更新する場合には、契約の実態および労働者の希望に応じて、契約期間をできるだけ長くするよう努めるべきこと、が定められている。

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整理解雇対象者の選定方法とは?

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整理解雇対象者の選定方法 「整理解雇対象者」

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整理解雇の正当性を判断する基準とは?

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  客観的に人員整理を行う業務の必要性があるか?

  他に整理解雇を回避する可能性はないか?また、使用者による整理解雇の努力がなされたか?

  整理解雇基準に合理性があるか?また、その基準の適用に妥当性があるか?

  解雇手続きに関して、労働組合等と誠意をもって協議したか?また、労働者に誠意をもって十分に説明したか?

上記の4要素をひとつひとつに分断せずに、全体的・総合的にとらえる。

しかし、上記の4要素は、終身雇用制・年功序説制に基礎をおく解雇権濫用の法理から導かれるものであるので、中小零細企業の従業員等、一般的に終身雇用制・年功序列制のもとにない労働者については、上記の4要素をそのまま適用されることにはならない。その雇用実態を踏まえて、解雇権濫用にあたるかどうかの判断が必要になる。

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整理解雇を回避するための賃金切り下げとは?

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【整理解雇を回避するための賃金切下げ】

整理解雇については、正当性の有無を判断し、賃金切下げについては、合理性の有無を判断することになる。人件費削減策としてどちらを優先すべきかといえば、法の原則に従って整理解雇が優先されるべきといえる。

裁判所は、賃金切下げが有効かどうかは、合理性の有無によって判断するとしている。

最高裁(第四銀行事件=最判平9.2.28労判710-12)は、新たな就業規則などの作成や変更は、労働者の既得の権利を奪うことになるため、原則として許されないが、社会情勢や企業を取り巻く経営環境などの変化に伴い、企業体質の改善や経営の一層の効率化、合理化をする必要に迫られ、その結果賃金の低下を含む労働条件の変更をせざるをえない事態となることがあることはいうまでもなく、そのような就業規則などの変更もやむをえない合理的なものとしてその効力を認めるべきときもありうるとして、合理性が認められる場合は、個々の労働者が同意しなくても、その適用を拒むことは許されないとしている。

その合理性の有無は、

① 就業規則などの変更によって労働者が被る不利益の程度

② 使用者の変更の必要性の内容

③ 変更後の就業規則の内容自体の相当性

④ 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況

⑤ 労働組合などとの交渉の経緯

⑥ 他の労働組合または他の従業員の対応

⑦ 同種事項に関するわが国社会における一般的状況

などを総合考慮して判断するとしている。

また、労働契約法(平成2031日施行)9条では、労働者との合意なく、使用者が就業規則の変更により労働者に不利益に労働条件を変更することはできないとの原則を示し、但書きにおいて10条による例外を認めている。

10条では、変更後の就業規則を労働者に周知させること、そして就業規則の変更が、

① 労働者の受ける不利益の程度

② 労働条件の変更の必要性

③ 変更後の就業規則の内容の相当性

④ 労働組合などとの交渉の状況

⑤ その他の就業規則の変更に係る事情

に照らして合理的なものであるときは、就業規則の変更による労働契約の内容の不利益変更を認めている。

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整理解雇を回避する具体的な措置とは?

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【整理解雇を回避する具体的な措置とは】

  経費削減            ⑥配置転換

  時間外労働の中止        ⑦労働時間短縮

  新規採用の中止         ⑧一時帰休

  昇給停止            ⑨非正規社員の労働契約の解消

  賞与の支給停止         ⑩希望退職の募集

実務では、まず経費の削減をする。とくに「広告費」「交通費」「交際費」を削除する努力をする。

使用者には、上記のすべての解雇回避措置を講ずることが義務づけられるのでなく、個別事案ごとに応じた裁量が認められるべきであって、当該企業のとった経営上の努力が、企業の経営状態(人員整理の緊急性)ないし整理解雇の目的(経営の必要性の程度)に照らし、著しく不相応、不合理でなければ、解雇回避措置を尽くしたとして評価すべきものと思われる。

  どの程度の解雇回避努力が求められるかは、「企業規模」「従業員構成」「経営内容」等、企業ごとの雇用実態を踏まえて考えなければならない。

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整理解雇に求められる経営状況とは?

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【整理解雇が正当であると認められる「経 営 内 容」とは】

   必ずしも赤字である状況が要求されるとは考えられない。

   各企業の規模や実情をもとに判断される。

   財務諸表ではなく流動性資産と銀行などとの関 係をもとに判 断される。

【「人員整理を行う業務上の必要性」を判断する経 営 状 況とは】

  まさに倒産の危機に瀕しているため、緊急に人員整理を行う必要がある場合

  将来、経営危機に陥る可能性があり、その危機を避けるために、今から企業体質の改善・強化を図るために人員整理を行う必要がある場合

  将来的にも経営危機に陥る危険はないと予想されるが、採算性の向上を図る目的で余剰人員の整理を行う必要がある場合

 上記の3パターンに応じてどの程度解雇回避措置が求められるかを考えて、人員整理の合理性を判断する。(東京地裁)

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